魚やウミガメ、海鳥などの海の生物が、好奇心やごみの回りに集まる魚を食べようと近づいて、海に漂流する釣り糸、ロープや漁網、荷造りヒモなどに絡まってしまうことがあります。
これらは絡まると簡単には外れないため海の生物に被害を与えることがあります。
また、プラスチックごみは波や紫外線などの影響を受けてもろくなり、砕けて小さな破片となります。
海の生物は、ごみと区別することができずに、エサと間違えてプラスチックごみを誤飲することがあります。
特にプラスチックが劣化して細かくなった、マイクロプラスチックを生みの生物が取り込むことで生態系への悪影響も心配されています。
※マイクロプラスチックとは
主なものとしては、大きなサイズで製造されたプラスチックが、自然環境中で破砕・細分化されて、微細なプラスチック(5mm)以下になったものです。
マイクロプラスチックに含有/吸着する科学物質が食物連鎖に取り込まれ、生態系に及ぼす影響が懸念されています。
日本周辺(沿岸・沖合)においては、マイクロプラスチックが全体に漂流しています。
日本周辺海域で全体的にマイクロプラスチックは分布していますが、日本以外にも多くのゴミが漂う海域があります。なかでも最大なのが、米国カリフォルニアとハワイの間にあり、面積は日本の倍以上と言われる「太平洋ゴミベルト」です。
蓄積したプラスチックの数は1兆8000億個、重さはおよそ8万トンと推定されています。
そして、2011年の東日本大震災で多くの人工物が海洋に流出し、総量をさらに増やしたとみられています。
日本政府は、太平洋ごみベルトを含む海洋ごみ問題に対する対策として「プラスチック資源循環戦略」を策定しました。 この戦略では、プラスチック製品の削減やリサイクルの促進、バイオプラスチックの開発が推進されています。 さらに、日本はアジア太平洋地域での協力を強化し、地域全体での海洋ごみ対策を推進しています。
海洋生物への影響が広がることで本来取れるはずの海洋生物の漁獲量が減るという問題もあります。
プラスチックごみが海洋環境を破壊し生態系が崩れ、プラスチックごみによって生物が傷を負ったり死んでしまい数が減るなどが原因です。
海洋ごみは主に放置されたごみなどが問題となっています。
そのためこれを減らす1番の方法は私たち消費する側が気をつけることです。
ごみをゴミ箱へ捨てるだけでなく、プラスチックごみそのものを減らす行動も重要です。
プラスチックはリサイクルが可能で、再利用方法は今も研究が進んでおり、様々な製品に生まれ変わっています。
このように私たちがプラスチックごみを減らすためにできることはあります。
自分たちでできることを考え行動に移していくことが、この問題を解決する第一歩となるのです。