(あいらびゅーFM 上栫祐典さん)
「今回は、NPO法人くすのき自然館が制作した『錦江湾奥 干潟の生き物図鑑』についてご紹介します。これまで錦江湾周辺の生き物だけを収録した図鑑はなかったそうですが、昨年6月の調査の際には私たちあいらびゅーFMも同行しました。今回、図鑑が完成したということで、スタッフの皆さんにお話を伺いました。」
重富干潟での図鑑制作の活動は、鹿児島大学の協力のほか、一般からも調査員を募集し、干潟で生き物調査を行って実際に見つかった生き物を収録しています。
(NPO法人くすの木自然館 樋之口蓉子さん)
「今回の図鑑は1年で発行にこぎつけました。2022年4月~12月に干潟の調査を行い、その時に発見した生き物をまとめて図鑑にしています。発行したのが2023年の3月25日です。」
―Q.調査は何回くらい行われたんですか。
(NPO法人くすの木自然館 樋之口蓉子さん)
「一般参加の方のご協力を得ての大きな調査が6回、あとは補完的な調査を数回行いました。」
―Q.今回図鑑に収録した生き物は、全部でどれぐらいの種類になりましたか。
(NPO法人くすの木自然館 樋之口蓉子さん)
「225種類になりました。本当によく見られる生き物たちを掲載していまして、本当にとった生き物はもっともっといます。干潟の生き物の種類数でいうと多い方だと思います。多様性の高い地域だなと改めて実感しました。」
―Q.今回の調査で初めてわかったことと・初めて見つかった生き物もあるんでしょうか。
(NPO法人くすの木自然館 田島奏一朗さん)
「干潟によくいるゴカイなど環形動物は今回の図鑑には19種類掲載されたんですが、そのうち2種類は標本としては県内初記録。それ以外では、本州では今はほとんど見られなくなっているような種類もありました。」
「その中の1種類がビクニイワムシ。本州での記録は、1930年代を最後に見られません。重富海岸では採集ができるということで、貴重な生息地になっていると言える。」
「それからサナダイムシやタテジマイムシなどのイムシ類もいます。サナダイムシに関しては、標本として県内初記録・国内の南限の記録です。またタテジマイムシも本土の沿岸で初記録であり、かなり貴重な環形動物が採集されました。」
「彼らはどういうふうに生活しているのか、図鑑を手にとって興味を持っていただきたいですね。
また、干潟は一見何もないように見えますが、実際に干潟に生息する生物を手に取って見て触れてもらいたいと思います。渚ミュージアムで道具の貸し出しも行っていますので、お立ち寄り下さい。」
「また調査に参加いただいたみなさんも干潟に一生懸命で鳥をなかなか見る機会がなかったと思いますが、ちょうどこれから渡り鳥の季節になりますので、どんな鳥がいるのか探しに、遊びに来てもらいたいと思います。」
(NPO法人くすの木自然館 樋之口蓉子さん)
NPO法人くすの木自然館では『干潟の生き物ツアー』を4月・5月に開催していて、参加者のみなさんにはハンドブックとして図鑑をお渡しいたします。ぜひご参加ください。」
(あいらびゅーFM 上栫祐典さん)
「今回の図鑑はカテゴリーが鳥類、魚類、そしてカニなどの甲殻類、節足動物、貝類などの軟体動物、環形動物、その他、というふうにカテゴリーが分かれています。また、干潟の役割や地方での遊び方の注意事項などもわかりやすく記載をされています。」
「A5サイズでとても持ち運びやすくコンパクトですので、錦江湾周辺の散策のお供に持っていただくと、この地域の自然の豊かさを感じていただけるんじゃないかと思います。」
「この図鑑、本当に人気で多くの方から問い合わせがあるということで、今後は有償での配布も検討中ということです。」