鹿児島市のマリンポートかごしまに2019年に完成した、船の乗り場と連絡橋からなる縦32メートル・横14メートルの浮桟橋です。
マリンポートに寄港した国内外のクルーズ船の観光客を、海上ルートで運ぼうと設置されたものでしたが、なかなか利用されることはありませんでした。しかし、いよいよ今年度、錦江湾の海上交通が動き出しました。
錦江湾遊覧観光協会・副理事長 川崎恭資さん
「桜島の雄大な眺めを見ながら、風にふかれながら、移動中も観光として楽しめるのでは」
錦江湾遊覧観光協会の川崎恭資さんです。
去年4月、鹿児島市の鹿児島本港区かごしま水族館近くに小型船用の桟橋が設置されました。小型船に乗れば、マリンポートから、鹿児島本港区までは、およそ20分。
川崎さんは、鹿児島に立ち寄ったクルーズ客が、渋滞に悩まされることなく鹿児島市中心部に来ることができると期待しています。
錦江湾遊覧観光協会・副理事長 川崎恭資さん
「バスで運ぶというルートがかなり渋滞をしている、解決策のひとつとして、海上ルートで本港区に運ぶ」
「街並みも海から見ると違った雰囲気もある、桜島も少しひいたところから見るとか、場合によってはイルカを見られるかも、いろんな可能性がある」
川崎さんらは、今年度中に実際にクルーズ客を乗せた試験運行を実施し、今後、本格的に稼働させる予定です。
先月8日に就航したのが、マリンポートと鹿屋港を結ぶ定期船「なんきゅう8号」です。全長18.5メートルの60人乗りの小型高速船で片道およそ30分で、朝と夕方の1日2往復運航します。
就航を前に試乗会があり、自治体や観光業界の関係者らが参加しました。
ツアー客
「とてもいいこと。鹿屋と近くなって。」
高速船を運行・なんきゅうドッグ 今村弘彦会長
「60人乗りだが半分くらい乗ってくれたら。やってみないと分からない、努力する」
マリンポートと、大隅半島を30分で結ぶ定期便の就航はクルーズ船による経済効果を、大隅半島まで波及させることが期待されます。
鹿児島の魅力のひとつである錦江湾を生かした取り組みが始まっています。