今回の舞台である、鹿児島県阿久根市は「アク」が魚や漁業を表し、「ネ」は岩礁を表す言葉として、名前の通り古くから漁港として栄えた土地です。しかし、現在は「藻場」の減少が課題となっており、元々南の海に生息していたウニが環境の変化で増え、食害の影響が出てきたことが一因であるといわれてます。駆除の対象であるウニは藻場を食べ尽くし、中身が少ないので商品化が困難です。そこで、今回、子どもたちが、阿久根の海のアクティビティや食を通じ、この漁業の街「阿久根」で起こる環境の変化を学び、ウニの駆除やウニ殻を使った商品開発を行い、海の未来を救う新商品の開発に繋げます。
1日目、まずは、阿久根市の北さつま漁協に向かいました。まずは、北さつま漁港 洲﨑篤さんから阿久根市の歴史から藻場の減少など実際に直面している現状や課題についてのほか、漁業や地域経済に与える影響を学び、藻場についての理解を深めました。地名の由来が、魚や漁業を表す「アク」と岩礁を表す「ネ」である阿久根は古くから漁港として栄えていますが、近年は漁業従事者の減少など課題があり、中でも「磯焼け」と呼ばれる海藻の減少に伴う海の砂漠化が進行しています。北さつま漁業では、未来の海を守るために増えすぎたウニの駆除などの取り組みを行っているそうです。
子どもたちは、実際に課題解決に向けて取り組んでいる方々のお話を聞いて、阿久根の海の未来について考えました。
北さつま漁協で働く地元の方からのお話しを聞いたあと、昼食を通して海の街の「食」について学びました。 阿久根駅から徒歩10分にある「市場食堂 ぶえんかん」。ぶえんという言葉は、鹿児島の言葉で『新鮮な魚』という意味で、ぶえんかんでは、毎朝 阿久根漁港に上がった魚を手早く処理し、新鮮なお魚の提供を行っています。 北さつま漁協で水揚げされたであるアジやきびなごなど、海の恵みを堪能しました。 子どもたちからは、「いつも食べる魚よりも美味しく感じる!」「初めて食べるお魚もあったけど、美味しかった」「お父さんお母さんとまた食べに来たい」という声が聞こえました。
午後からは、脇本海水浴場に移動し、阿久根市地域おこし協力隊の中原雅さん率いるインストラクターの方々に乗り方を教わりました。本日の天気は快晴。絶好のマリンスポーツ日和のなか、SUPに乗って阿久根の海を大冒険しました。子どもたちの中には、初めてSUPを体験する子もいましたが、インストラクターの方々から乗り方のコツを教えてもらい、すぐに上手に乗りこなしていいました。慣れてきたら、チームを組んでレースも行い、阿久根の海を堪能。冒険中には午前中のお話しでもあった、陸から見ているだけでは知ることができない、藻場の現状を目の当たりにし、驚いている様子の子どもたちでした。一見するときれいな眺望の阿久根市の海も、海の上から見てみると藻場の少なさが目立ち、目に見えないところで発生している藻場の問題について改めて気が付くことができました。 体験後は、ホテルに戻って初日のまとめ学習を行いました。1日を通して阿久根の藻場について学び、海を守るために自分たちにできることを考えながら1日を振り返りました。