砂浜に打ち上がったクジラ、港に迷い込んだイルカ。このように海に住んでいるほ乳類が座礁・混獲・迷入することを「ストランディング」と呼びます。
鹿児島市の鹿児島水族館で開催されたのは、特別企画展「鹿児島の海のほ乳類 座礁クジラが教えてくれたこと」。25年分のストランディングから明らかになった、鹿児島の海のほ乳類の生態について紹介しています。
かごしま水族館 柏木伸幸さん
「水族館が25周年。25年にわたって砂浜に上がるイルカやクジラの調査をしてきました。25年経って集まったデータをみなさんにお伝えしようと思って、この企画展を開催しています。」
柏木さんもこの調査に関わっている一人。クジラのコーナーを案内してもらいます。
かごしま水族館 柏木伸幸さん
「イルカやクジラの仲間には、歯のあるクジラとひげのあるクジラがいます。ひげの生えているクジラは、とても(身体の)大きな種類が多くて、鹿児島でもミンククジラやザトウクジラが打ち上がります。」
「こちらは歯のあるクジラの仲間で、マッコウクジラと言います。歯のあるクジラの中で最大の種類のクジラです。今ここにあるのはレプリカですが、頭の骨だけでだいたい5mぐらいあります。鹿児島ではこういうクジラが40頭以上打ち上がったことがあります。」
「お腹の中を調べると、イカのくちばしが出てきます。このイカのくちばしを消化しきれずお腹の中で固まったものが、この『龍涎香(りゅうぜんこう)』と言います。昔からお香の材料として珍重されるもので、浜に打ち上げられたりして、このサイズで時価数千万と言われています。」
その他、幻のクジラ・タイヘイヨウアカボウモドキやゴマフアザラシ、ニホンアシカなどの展示も。
(特別企画展を訪れた人)
「結構な数が打ち上げられているんだなと思って、ちょっとびっくりしてます。」
「想像以上に大きいんだなって思いました。」
「(海のほ乳類の生態系について)より具体的になりました。」
なぜストランディングが起きるのか、はっきりとした理由は分かっていません。しかし、調査を続け生態系を知ることで、生き物たちは私たちにたくさんのことを教えてくれます。
かごしま水族館 柏木伸幸さん
「これだけたくさんのイルカやクジラが打ち上がるということは、鹿児島の海がとても豊かだいうことなので、ぜひこの豊かな海を感じてもらいたいなと思っています。それを大事にする気持ちを育んでいただけたらなと思います。」