高校生が3人1組になってごみ拾いを行い、その種類や量を競うスポGOMI甲子園決勝大会です。鹿児島代表の「あいちゃん劇団」に密着しました。
11月に鹿児島市の磯海水浴場で行われた「スポGOMI甲子園 鹿児島県大会」。この大会は、高校生が3人1組になって指定されたエリアのごみを拾い、その種類や量を競うものです。
この日、ひと際目をひく参加チームが…「あいちゃん劇団」です。
「今日は介護の魅力を伝えるために、おじいちゃん・おばあちゃんのコスプレと、介護福祉士のハッピーレンジャーというヒーローの格好で海のごみ拾いに来ました」
龍桜高校の「あいちゃん劇団」、介護福祉士を目指して勉強中の3人は、学校ではボランティア同好会に所属し、小中学校などで福祉をテーマにした劇を行っています。
この日は、海をきれいにしようという意気込みとともに介護の魅力を伝えたいと、おじいちゃん、おばあちゃん、二人を助ける介護福祉士のヒーローに扮して参加しました。
「鹿児島大会、優勝は…」
「あいちゃん劇団さんです!」
4.97キロのごみを拾い、見事優勝。全国大会へのきっぷを手に入れました。
鹿児島県大会と同じくコスプレ姿で現れたあいちゃん劇団の姿がありました。
「待ち望んでいたので、ここまで来られたという気持ち」
今年の全国大会には31チーム93人が参加。1時間の制限時間の中で、隅田川周辺の指定エリアでごみを拾います。
この大会では、ごみを拾うためのオリジナルアイテムを持参すればポイントが加算されるということで、各チームが工夫を凝らしたアイテムを持参しています。
あいちゃん劇団が持参したアイテムは…
「お洋服リサイクルごみバッグ」です。
「いらなくなったお洋服を再利用しています。わたしたちは裁縫がすごく苦手だったので、はさみで切って結ぶだけで強度も高めた。」
「元々の服を生かして、ポケットも分別がしやすいようにした」
「割とキレイだよね」
一見きれいな道路ですが、草むらをのぞくと…
「宝の山だ!」
ビン・缶・ペットボトルなどが高ポイントということで、自動販売機の周りや茂みなどをくまなく探します。
バッグの中以外にも両手いっぱいにごみを抱え帰ってきた3人。5.54キロのごみを拾いました。
しかし、全国にはさらなる強者たちが。10キロ以上集めたチームもいて、あいちゃん劇団の順位は31チーム中17位。
しかし、その格好や明るさからあいちゃん劇団への注目度は高く、テレビや新聞など様々な取材を受け、介護への思い・ごみ拾いへの思いをPRすることができました。
そして、さらに…
「オリジナルアイテム賞は、鹿児島県代表のあいちゃん劇団です!」
最も優れたオリジナルアイテムに送られる「オリジナルアイテム賞」を受賞。
使わなくなった洋服を使うという制作の段階から環境を意識していた点などが評価されました。
「すごくうれしい。アイテムにも力を入れていて、アイテム賞を受賞できたのはクラスのみんなが洋服の提供などをしてくれたおかげ。報われたというか、こういう形になってとてもうれしかった」
「ごみを拾うことが楽しかった。誰でも楽しめる、こんな素敵な競技はないなと実感しました」
まもなく介護福祉士の国家試験を控える3人。介護への思いに加え、大会を通じて街を海をきれいにすることへの思いを強めるきっかけになったようです。