日本財団が推進する海洋ごみ対策事業「海と日本プロジェクト CHANGE FOR THE BLUE」では、5月28日から6月12日までの期間を「春の海ごみゼロウィーク」と定め、全国一斉の清掃活動を実施しています。
鹿児島県いちき串木野市白浜海岸。
「春の海ごみゼロウィーク」の活動の一環として海岸に新たに設置されたのが「拾い箱」です。
海と日本プロジェクトin鹿児島 推進リーダー 柴さとみ
「気軽にごみ拾いに参加してもらいたい、参加できる箱があればな、ということで設置を試みたのがスタートでございます」
「拾い箱」は単なるごみ箱ではなく、海に漂着したごみを入れる専用の箱で、2017年に与論町で運用が始まりました。
海岸を訪れた人がごみを捨てる場所に困らず、気軽にごみを拾い、いつでも捨てることができるようにと設置されたのです。
県内ではこれまでに鹿児島市、垂水市、南さつま市、姶良市にも
設置されていて、「拾い箱」の存在を知った地元住民からの要請で、今回いちき串木野市にも設置されることになりました。
いちき串木野市 中屋謙治市長
「潮の流れや季節風で、海岸の漂着ごみはなかなか改善しない。市民みんなが海の恵み、地球環境を考えるきっかけになればいいなと期待している」
鮫島百桃子さん
「羽島の地域の方々も美しい白浜海岸を大事にしたいと思っていた。自然と同じ方向を向くことができた」
今回、いちき串木野市に拾い箱を設置しようと要請したのは、ダイビングショップ「Ocean Diary」の代表・鮫島百桃子(さめしま ももこ)さんです。
鮫島さんは海のガイドを務めるほか、日本に数少ないマーメイドパフォーマーとしていちき串木野市を拠点に活動しています。
地元の海岸を守ろうと、定期的に地元住民らと清掃活動を行っていますが、それでも次々にやってくるごみに頭を悩ませていました。
鮫島さん
「私一人の力ではたかが知れている。『海岸を歩いていて目の前にごみがあって拾いたい気持ちはあるんだけど、ごみ袋がない、タイミングが悪いことがある』と相談を伺ったときに、与論島の活動が浮かんだ」
鮫島さんが発起人となり、設置されたいちき串木野市の拾い箱。
「ボイジャーズ ポート(Voyager’s Port)」と名付けられました。
長時間、大海原を漂い旅をした海のごみを航海者とたとえ、その航海者がたどり着く、最終目的地=港 になってほしいという思いが込められています。
この日は運用開始を記念して、地元住民などおよそ40人が周辺で清掃活動を行いました。
大きなごみは目立たなかったものの、ペットボトルの蓋やプラスチック片など、30分ほどで多くのごみが集まりました。
参加者
「地域住民が関心をもって地元の海をきれいにすることはとてもいい」
参加者
「ごみが落ちていてもそのまま捨てずにいる人が、捨てたいなと思ってくれたらうれしい」
参加者
「きれいな海でスリッパを脱いで走り回れるようにしたい」
鮫島さん
「しっかりと海の美化活動に活躍できるよう、みんなで愛情もって運営していきたい」
海を守るため、誰でも、いつでも、
ごみを拾うことができる拾い箱の取り組みが広がっています。