奄美市の住用小学校では、絶滅のおそれのある種に指定されているリュウキュウアユについて学び、観察する会が開かれました。
リュウキュウアユは沖縄本島と奄美大島のみに生息するアユです。ただ、沖縄本島では絶滅し、現在生息しているリュウキュウアユは奄美大島の種を放流したもので、太古からの姿を残しているのは奄美大島の種のみです。
住用小学校では18年前からリュウキュウアユの学習・観察会を開き、子どもたちの理解を深めています。
学習会では、奄美リュウキュウアユ保全研究会の米沢俊彦さんが生態などについて説明。13人の児童たちは、リュウキュウアユが川で卵から孵化した後、12月から4月にかけて海で生活することや、産卵した後はほとんどが死んでしまう年魚であることなどを学びました。
5月から11月にかけては海から上がってきたリュウキュウアユが川の中流あたりで成長する時期ということで、児童たちは学校の近くを流れる役勝川で観察に挑戦しました。
ただ、先日の大雨の影響もあってか、琉球アユを観察することができませんでしたが、児童たちは水中メガネなどを使って、そのほかの川の生き物を観察しました。
米沢さんによると、リュウキュウアユの個体数は年ごとに増減を繰り返していますが、ここ数年は比較的安定した数が確認されているということです。
奄美リュウキュウアユ保全研究会 米沢俊彦さん
「教室の中だけでいろいろな知識を得るより、やはり実際に川に入って、そこで生の体験をしてもらうということが非常に重要だと思う。」
学習・観察会に参加した児童
「リュウキュウアユは見られなかったけど、タナガエビとかハゼとか、川の生き物がいろいろ見られました。リュウキュウアユは奄美にしかいない大事な生き物だから、増えるように守っていきたいと思います。」