錦江湾には、浅瀬から深海まで多種多様な生き物が生息していて、重富海岸などの干潟も世界に誇る生き物の宝庫です。
この干潟をおよそ半年かけて調査しようという取り組みが始まりました。
1回目の調査に同行して取材しました。
今回の調査は、錦江湾北部の干潟にどんな生き物がいるかを調べ、確認された生き物を記録した図鑑を作ろう、というプロジェクトです。
一般からも親子連れや、干潟の生き物を学んでいる高校生らの調査員を募集して、専門家とともに今月、第1回目の調査が重富海岸で行われました。
NPO法人くすの木自然館 樋之口蓉子さん
「重富海岸自然ふれあい館なぎさミュージアムの事業で、NPO法人くすの木自然館が実施しています。身近な干潟の生き物を調べて図鑑を作って、それを使ってより広く多くの方にご参加いただいて、干潟の観察会をしようという事業になります。」
(Q.例えばどんな生き物がいましたか?)
「今回は魚が非常にたくさん捕れました。それから、エビ、カニ、ゴカイ、貝類、イソギンチャクなど、いろんな生き物が捕れました。」
(Q.なにか珍しい生き物が獲れましたか?)
「絶滅危惧種の生き物もたくさんいますが、今回はここの干潟を代表するような生き物を捕まえたいなと思いましたので、概ねここ(重富海岸)でよく見られるような生き物が中心になっています。」
ゴカイの研究をしている 鹿児島水産高校 大野廉さん
(Q.重富海岸は初めて来ました?)
「初めて来ました。すごく綺麗でした。」
(Q.研究は具体的に、どんなことを調べてるんですか?)
「ゴカイの種苗生産(産卵など)を主に研究しています。」
(Q.今日やってみてどうでしたか?)
「改めてゴカイのこととか深く知れたり、更に好きになったりしたので、課題研究をもっと深めていきたいと思っています。」
(Q.なにか珍しい生き物が見つかりましたか?)
「名前はわからないんですけど、自分の見たことのないゴカイを見つけることが出来ました。」
鹿児島大学総合研究博物館 木村浩之教授
(Q.先生のご専門はどういった分野になるんでしょうか。)
「魚類の分類学が専門で、魚の分類をしたり、進化のメカニズムを探ったり、どこにどんな魚がなぜ分布するかを調べたりする研究分野です。」
(Q.学生さんと一緒に参加されていましたが、調査を通じて学生さんに学んでほしいことは?)
「今日調査に参加した学生は、もともとフィールド(調査)に強い学生たちなので、一般の参加者の方々に重富海岸における豊かさを伝えられたらなと思います。」
(Q.先生にとって、錦江湾の海の魅力はどんなところでしょうか。)
「錦江湾は、なかなか他では見られないような半閉鎖水域で、しかも深海があって、さらに干潟もある。(錦江湾で)魚類の多様性が育まれているのを、(半年間かけて)調べて見つけていきたい」