鹿児島市の清水小学校で、大正6年から続く「錦江湾横断遠泳」桜島から磯海水浴場までのおよそ4.2キロを泳いで渡ります。
70回目の記念大会となる今年は4年生から6年生までの児童のうち、遠泳を希望した60人が参加します。さらに、横断遠泳の経験者であるOB・OGも加わり、計142人で磯海水浴場を目指します。
初挑戦の4年生
「緊張しています」
「安全に錦江湾を渡れるよう、ゆっくり泳ぎたい」
6年生
「みんなを楽しませながら、しっかりと声を掛けて引っ張っていきたい」
午前10時過ぎ、いよいよ遠泳が始まります。
清水小学校の子どもたちは5月からプールでの練習をスタート。1日におよそ3キロを泳ぐこともあり、7月からは海での練習も重ねてきました。
ゆったりとした平泳ぎで着実に進んでいきます。
そして今年からは、子どもたちが安全に泳ぐための新たな取り組みも始まりました。
鹿児島大学水産学部の実習船「南星丸」が遠泳に随行し、リアルタイムで潮の動きや速さを計測します。
遠泳者に装着しているGPSのデータと照らし合わせることで、安全な遠泳ルートを科学的に分析、算出することが期待できます。
清水小学校・水泳同好会 上田平誠さん
「潮向と流速を報告すると、目標を変えてくれている」
さらに会場には機動力に優れた水上バイクを5台配置し、緊急時に迅速な対応ができる体制を整えました。
練習の力を発揮し、力強く元気いっぱいに泳いでいきます。
ゴールの磯海水浴場では、家族や地域の方々が集まり、子どもたちに声援を送り続けます。
そして、スタートからおよそ1時間50分後、遠泳に参加した児童全員が錦江湾を泳ぎ切りました。
6年生
「楽しかったです。とても疲れた」
5年生
「波に押されたり、変なものに当たったりした。面白かった」
初挑戦の4年生
「オレンジ帽になって、金の盾をもらいたい」
清水小学校・水泳同好会 濱崎 寛隆会長
「泳力がついたから泳げるわけじゃなくて、海の怖さを知ったうえで、海の楽しさを知ってほしい」「安全対策がしっかりしていると思ってもらえないと、こういう活動は続けていけない」
「コーチや地域の方々に協力をもらいながら、色々なことを試しながら、1年1年、活動を続けていきたいと思う」
新たな試みも取り入れながら、71回目の開催を迎えた、「錦江湾横断遠泳」。海の魅力をたっぷりと感じる1日となりました。