沖永良部島で、海岸の清掃活動を続けるきょうだいを紹介します。
沖永良部島の南側にあり、波によって削られた岩が立ち並ぶことで知られるウジジ浜。
知名町に住む竿(さお)さん一家の朝は、海岸のごみを拾う、ビーチクリーンで始まります。
始めたのは3年前。きっかけは、小学6年生の長女・りりさんの夏休みの宿題でした。
(長女・りりさん)
「作文の環境問題を考えるためにウジジ浜に行ってごみを拾い始めたのがきっかけです」
スタートから3年。りりさんは、小学4年生の次女・はなさん、小2年生の3女・めいさん、2歳の喜(き)一之(いちの)介(すけ)くんとともに、「うじじきれい団」と名乗り、雨の日と、朝寝坊した日以外、ほぼ毎日、ビーチクリーンを続けています。
子どもたちの姿を見て、周囲の大人たちも海岸のごみを拾うようになり、3年前に比べると、ごみの量は着実に減ったといいます。
さらに、4人のきょうだいの地道な活動に賛同した企業やデザイナーから帽子やTシャツが贈られるなど、島内外から協力の申し出があるといいます。
(3女・めいさん)
「どんどん海がきれいになったからうれしかったです」
そして、大きなゴミが減る中、4人は新たな取り組みを始めています。それは、5ミリ以下の小さなプラスチックの破片=マイクロプラスチックを拾うことです。
和泊町のワンジョビーチは、白い砂浜が広がり、海水浴場としても人気のビーチですが、よく見ると、海岸にはマイクロプラスチックが。
4人は、ピンセットやふるいを使って、マイクロプラスチックを拾い集めます。
そして集めた後は、マイクロプラスチックを仕分けしてガラス瓶に詰め、環境教育などに使用する見本として販売し、活動資金にあてています。
(長女・りりさん)
「ちょっとでも多くの人にマイクロプラスチックのことを知ってもらって、プラスチックをちょっとでもいいから減らしたい」
また、4人は、集まったゴミを使ったアート作品の制作にも取り組んでいます。
(次女・はなさん)
「ごみを使ってアートするのが楽しい」
4人の活動をサポートしている父の智之(ともゆき)さんは、この3年間で、周囲も変化しているといいます。
(父・智之さん)
「ビーチクリーンしてくれる子どもとか大人もたくさん増えたのですごく心強いというかうれしいですね」
海岸をきれいにしたいと活動している「うじじきれい団」の4人。その活動は、周囲の大人も巻き込みながら広がりを見せています。