11月1日は灯台記念日です。日本財団と海上保安庁は、11月1~8日を「海と灯台ウィーク」と銘打ち、全国でさまざまな取り組みを行うほか、各地の灯台の歴史を紹介します。
鹿児島県南大隅町・佐多岬。本土最南端の灯台として、海の安全を守り続けている灯台があります。「佐多岬灯台」です。
灯台を望む場所には展望台があり、太平洋・東シナ海・錦江湾を一望。観光スポットとしても知られ、多くの人が訪れています。
そんな佐多岬灯台に思い入れのある人物がいます。
(南大隅町歴史研究会 田中哲志さん)「向こうに望みますのが、私が小さい頃から慣れ親しんだ佐多岬灯台、本土最南端の灯台です。」
(田中さん)「私が小学校の時に初めてこの灯台に来たとき、上のレンズのところまで登らせていただいたことがあります。これが回転をして大海原を照らす雄大さを感じました。錦江湾から外洋へ出るときの起点になるので、この灯台こそが南の海の守りとして無くてはならないものではないかと考えています。」
佐多岬観光案内所には、建設当時からの資料が展示されています。灯台は、佐多岬の突端の岸壁から50メートル沖の大輪島に建設。島と島を結んだゴンドラや、船で資材を運搬しました。
断崖絶壁の島の頂上に建てる難しい工事を乗り越え、明治4年に完成。
その後、空襲により消失しましたが、昭和25年に再建。「日本の灯台50選」にも選定され、多くの人々に愛されています。
この佐多岬灯台はかつて、海の安全を守る以外にも役割があったのです。
(田中さん)「この灯台には特徴があって、佐多岬の気象通報をする役目もしていた。郵便局に42年勤めていましたが、毎日灯台から届く気象通報を鹿児島地方気象台に取り次いでいた。人々の生活を守る灯台でもあった」
航海をする船にとって、そして、人々の暮らしを支える存在として役立てられてきた佐多岬灯台。これからも錦江湾の入り口・大隅海峡を灯し続けます。
(田中さん)「灯台の明かりを人生の明かりとして守っていきたい」