東シナ海に面する、日置市の江口漁港。近海には豊かな漁場が広がり、四季折々に旬の魚が水揚げされます。
春の味覚・桜鯛。桜の時期に乗れるマダイは身の締りがよく、売れたての海の恵みを味わうことができます。
自然の豊かさに惹かれ、漁師を目指して神奈川県から移住した佐々祐一さん。この海で採れる貴重な貝のブランド化に取り組んでいます。
佐々祐一さん
「研修している時にツキヒガイに出会いました。マダイを獲るゴチ網漁に混ざって入ってきて、食べてみたらかなりおいしくて。名前も見た目もめちゃくちゃいいし。」
底引網漁で獲る月日貝(ツキヒガイ)。クリーム色と赤色の殻が月と太陽のように見えることが名前の由来です。一部のダイバーからは”泳ぐ貝”とも呼ばれるユニークな生態。ですが、産地以外ではあまり知られていないため、地元の特産として守り育てる活動が始まっています。
佐々祐一さん
「ちゃんと世の中に出そうとすると、やはり安定供給できる、管理されている資源であることがとても大事。生態をしっかり理解したうえで増やせるような環境をつくる。」
江口漁協独自の禁漁期間を設け、守り育てるツキヒガイ。
佐々さんは元経営コンサルタントの経験を生かし、潮の速さや網を引く時間などによる漁獲量を数値化。また漁業だけでなく、生態がよく知られていないツキヒガイの観察も行っています。
「最終的には種苗をつくったりとか、大きな貝に育てるための、あるいは養殖でも守って育てていくための情報になると思っています。」