新しい船が初めて海に出る、「進水式」とその船の門出を彩る「大漁旗」の話題です。
今年3月、垂水市牛根麓の港にたくさんの人々が集まりました。
人々の見つめる先にあるのはこの日「進水式」を迎えた新しい船。
そしてこの船の門出を彩るのが漁の安全と大漁を願う「大漁旗」です。
亀﨑昌大さん「明治の頃から少しずつ本来の意味と変わってきて、(今では)進水のお祝い、贈答品としてというか、縁起物ですね。」
昌大さんは亀﨑染工の5代目。
明治2年、初代が熊本で染物業を始め、2代目で遠洋漁業が盛んだった現在のいちき串木野市に移ってきました。創業以来、印染めと呼ばれる伝統的な方法で大漁旗を作っています。
しかし近年、漁業の不振や後継者不足から大漁旗の注文は減っているといいます。
亀﨑昌大さん「船自体が少なくなっているというのと、船ができるのが少ないと大漁旗を作る機会もなく、進水の機会が少ないということだと思います。以前は串木野でも進水の景色はあったんですが、今ではもうほとんど見られない」
「20枚くらい。色んな大きさのものを注文頂いています。今回の進水式は我々も行きたいぐらい、華やかになると思います」
牛根漁協の新しい船「第28とし丸」が姿をあらわしました。
この日のために贈られた色とりどりの大漁旗が飾られます。
牛根の港で進水式が行われるのは20年ぶりの事。港には地域の人々が集まりました。
牛根漁業協同組合 組合長 田村眞一さん「天気も良くてこんなにたくさんの人が来てくれて本当に感無量です。地域の活性化にも繋がるんじゃないかと」
20年ぶりの進水式に賑わった牛根の港。伝統の大漁旗が新しい船の門出を華やかに彩りました。