錦江湾の水の中を自力で進む物体。錦江湾の海底を調査するために作られた潜水探査機です。
この探査機を製作したのは池田学園の高校生3人と中学生1人の生徒たち。
4人は今年4月、錦江湾のマイクロプラスチックを研究するために集まりました。
マイクロプラスチックとは5ミリ以下の小さなプラスチック片のことで、プラスチック製品が適切に処理されなかった場合に小さな破片となって海などに流れ出し、環境や生態系に悪影響を及ぼすと言われています。
4人は錦江湾の海底の堆積物を採取してマイクロプラスチックがどれだけあるか実態を調べようとしていて、その調査のために潜水探査機を製作しました。
リーダー池田誠秀さん「(水深)250メートルなので人が潜ることが難しい。なのでこの機体を使って鹿児島湾の海の底まで沈めてマイクロプラスチックを採取しようと思っています」
リーダーの池田誠秀さんと技術担当の木村元弥さんが中心となり行われているプロジェクト。
探査機の設計から組み立て全てを自分たちで行いました。
探査機は深海に耐えられるよう耐圧を重視して設計。水中で安定した姿勢を保つためスクリューを8個つけるなど、こだわりました。
池田さん「高校生でこのような機体を作って鹿児島湾を探索をするのは僕たちが初めてだと思うのでミッションを成功させたい」
今月16日、この日、初めて機体を海に入れます。探査機は海の中で動くのか?そして深く潜ることができるのか?今後の研究のゆくえがかかった大事な日です。
当日はマイクロプラスチックの研究をしている専門家も駆けつけました。
千葉工業大学(マイクロプラスチック)亀田豊准教授「国の研究機関くらいでないと作れない。普通の高校生がここまで形にできているのは期待ができますよね」
船でおよそ40分。水深40メートルの目当ての地点に付きました。いよいよ機体の投入です。
「この沈み方はどう?」「これは浮力が強すぎる」
浮力材の量を変えるなど調整し、何度もトライします。
「垂直にいける?」「ちゃんと沈んだ」
機体には光ファイバーのケーブルがついていて、船上からコントローラーで操作し、機体のカメラからの映像をパソコンで見ることもできます。ここまでは順調のようです。
水深30メートルまで到達。
しかし…突然通信が切れてしまいました。
どうやら機体とパソコンをつなぐ光ファイバーの線が途中で切れてしまったようです。
今回はトラブルにより調査は切り上げとなったものの、3ヶ月以上かけて製作した探査機が錦江湾で動く姿に生徒たちは手応えを感じたようです。
谷口さくらさん「(水深)30メートルという深いところに潜ることができたのは、最初の第一歩としていいスタートが切れたのではないかと思います」
4人の挑戦はこれからも続きます。